英検HPより転載



今年1月より、英検協会ウェブサイトの「お知らせ」において、英検7級と6級の問題形式が少しずつ公開され始めました。
今回はその中から、7級「リスニング」の問題を取り上げ、その形式に合わせた別の問題例に基づいて、求められる能力と指導(学習)のヒントをお伝えします。

2026年1月30日【速報 第3弾】英検6級・7級問題形式の一部公開について
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2026/pdf/20260130_info_2026newgrade.pdfまず7級「リスニング」の問題例を見てみましょう。

■7級「リスニング」問題例
【イラストについての質問を聞き、答えとして適切なものを選ぶ問題】
〔問題例〕イラストについての質問(しつもん)を聞(き)いて、答(こた)えとしていちばんあっているものをa~cの中(なか)から1つえらびなさい。
英文(えいぶん)は2回(かい)読(よ)まれます。

《スクリプト》 
How many books do you have?
 a. I read books every day.
 b. I like this book.
 c. I have three books.
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〔解答: c〕


7級は「小学校中学年の英語学習に対応させる予定」と公表されていますので、小学校「外国語活動」の学習内容を踏まえた問題形式と考えることができます。
この問題は「数を尋ねる表現」である “How many ~?” の疑問文を聞いて理解し、適切な応答を音声提示された選択肢を聞き分けて答えるものです。
小学校中学年では、文を分解して文法や構文などのルールに従って理解する学びは行われていませんので、この問題に答えるためにポイントとなるのは以下の2つです。How many ~? というまとまりを聞いて、「数を尋ねられている」ことが分かるHow many books ~? の “books” を聞き取って、(ボールではなく)「本の数を尋ねられている」ことが分かるこれらが分かれば、3つの選択肢のうち本の数を答えているのはcだけですので、イラストと合っていることを確認しながら自信をもってcを答えることができます。
また、疑問文の後半が … do you have? となっているので、“I have ….” と答えることを学んでいれば、より自信をもって正答を聞き取ることができます。
さらに、選択肢aの “I read ….” やbの “I like ….” がそれぞれ「読む」「好き」という意味を表すことを知っていれば、「持っている本の数」を尋ねられたときの答えとしては不適切であることも分かります。
もし選択肢aが “I read three books every day.” である場合、選択肢aとcのどちらが正答かを見極めるために、疑問文後半の動詞 “have” を正確に聞き取っている必要があります。
この問題では、数を表す英語を含む選択肢がcのひとつだけですので、“How many ~?” をしっかり把握していれば正答を選べます。

以上のように、この問題では「数を尋ねる表現」としての “How many ~?” から始まる疑問文に、音声でどれだけ慣れ親しみ、意味を理解できるようになっているかがポイントです。
一方、同じ問題でも選択肢が以下の組合せであった場合は、どのような力が必要なのでしょうか。

a. I have two.
b. I have five.
c. I have three.

この場合は、“How many books do you have?” の “books” を正確に聞き取る必要があります。
イラストにはボールも2個描かれていますので、尋ねられているのは「本」と「ボール」のいずれの数かをきちんと理解して答えます。
選択肢すべてが “I have ….” から始まり数の部分だけ異なる形のため、元の問題のように “How many ~?” の部分から「数を尋ねられていること」を把握できなくても、何を問われているか(すなわち、何かの数を答えること)は想像できます。
しかし正しい応答を選ぶには、「何の数を答えるのか」を疑問文から正確に聞き取れることが重要です。

この問題形式に対応できる力を身に付けるには、イラストについての質問に実際に答える対話活動や、学習者同士でイラストについて口頭で質問を出し合う活動などが有効です。
学習者同士の対話の場合、既習の表現がバランスよく用いられず、学習者が得意な表現だけが使われることがあります。
学習段階に応じた既習表現を十分に理解しているのは指導者ですので、イラストを提示しながら、指導者がたくさんの問いを英語で学習者に投げかける活動も十分に行います。
7級では音声中心ですが、6級を見据えると、文字で書かれた問いを見て、文字で書かれた解答を選ぶものまで、活動を発展させることもできます。
その際、突然に見慣れない文字をたくさん見せると、学習者への負荷が大きくなり英語嫌いに繋がることがあります。
音声を聞きながら、文字を見て慣れ親しんでおく時間を事前に十分設けることを忘れないようにしましょう。